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バイクの空冷エンジンの特徴や構造についてご紹介

バイク

空気で冷やすエンジン

空冷とは空気を利用して冷やすことであり、そのような冷却方法のエンジンが空冷エンジンです。
空冷というとパソコンのCPUの冷却方法として一般的ですが、空冷エンジンも冷やすメカニズムは似ています。

エンジンに空気を当てることで冷やしており、放熱版のフィンを取り付けたり、空気を効率よく吸い込みエンジンに当てるためのファンを取り付ける場合もあります。
いずれの場合にしても、バイクは走ればライダーが風を受けるように、エンジンも自然と風を受けるので、それを利用して冷やします。

空冷エンジンは水冷と比べると、冷却水を必要とせず管理しないで済むので、構造がシンプルに出来ます。
構造がシンプルだとパーツ点数も少なくて済み、コスト削減も可能となってきます。
メンテナンスをする場合でも、パーツ点数が少なく、メンテナンス費用も安くできます。

空冷を採用するバイクは少なくなった

昔は空冷エンジンのバイクが多数あり、車でも最近までポルシェは空冷エンジンを使っており、昔は空冷のF1もありました。
しかし今や空冷エンジンの車はほぼなくなり、バイクでも採用する車種は限られてきています。

まずネイキッドなどのエンジンがむき出しのバイクは空冷をしやすいですが、カウル付きのバイクは、空気を強制的にエンジンに当てないといけないので、冷却が難しくなります。
実際大きなファンを取り付けて、なんとかエンジンを冷やしているという車種もありました。

何より空冷はエンジンを効率的に冷やすことが難しいです。
水冷であれば、エンジンを水で覆い水を当てるだけで冷えますが、空気だと当てるだけでは冷えず、空気の流れを作って当てないとなりません。
例えば単純に考えて、空気の当たるエンジンの前面は冷えますが、当たりにくい後ろ側は冷えにくいということになります。
さらには空気自体の温度の影響もあり、冬の冷たい空気だと問題ないですが、夏場の熱い空気となると、冷却効率が落ちます。
夏場だとエンジンがオーバーヒートする可能性もあります。
また最近は排ガス規制もバイクに適応されており、このためにエンジンの温度管理がシビアになってきており、空冷だと対応できなくなってきています。
エンジンを水で包むと遮音性があがり、静音対策となり、空冷ではこれは難しいです。

このようなことがあり、構造の単純なバイク以外は、水冷が多くなってきています。
一番構造が単純という原付バイクであっても、今は新車種として登場するモデルは、水冷エンジン搭載の場合が多いです。
水冷にすると、単純に考えてエンジンを効率的に冷やすことができるので、その分燃焼効率を上げて燃費を上げられるということもあります。