ベアリングの性能を左右するグリス
ベアリングというのは、回転する部分に設置されているパーツのことです。
バイクにはホイールの他にエンジン内部やステアリングステム、スイングアームのピポット部分などにベアリングが使用されています。
ペアリングはパーツがスムーズに回転するための役割を果たしており、定期的にグリスアップをすることによってベアリングの性能が向上します。
エンジン内部のベアリングはミッションオイルやエンジンオイルによってなめらかさが保たれていますが、ホイールベアリングなどにはグリスが使われています。
エンジンオイルの交換などは行き届いていても、ベアリングのグリスアップにはあまり頓着しないライダーもけっこう多いものです。
バイクを長持ちさせるためには、定期的なチェックが必要です。
状況に応じて劣化していく
ベアリング部分も使用状況などに応じて劣化していき、バイクの走行が滑らかではなく、段々ゴロゴロした感じになってきます。
ベアリングの内輪を外せば裂果しているかどうかがすぐにわかりますので、近頃どうも快適な走行感がないと感じたら、チェックしてみることをおすすめします。
ベアリングを適度にグリスアップせずにそのまま乗り続けていると、ベアリングの鋼玉が内輪・外輪に焼き付き、ロック状態になってしまうことがあります。
一旦ロック状態になってしまうと走行不能になりますので、早めにケアをすることが大切です。
グリスアップの手順
グリスアップを行うためには、まずベアリングをきちんと清浄することがポイントです。
まず、古いグリスをウエスで拭き取ります。
ウエスでは拭き取りきれない細かい部分は綿棒を使うといいでしょう。
パーツクリーナーを吹き付けて古いグリスを除去することもできます。
片面シールのベアリングであれば、吹き付けたパーツクリーナーはパーツ内に残らずに流れ落ちますので心配いりません。
ベアリングをすっかり清掃するためには、外してしまうほうが作業が楽です。
ベアリングを丸ごと灯油などに浸して、ブラシでこすることによってこびりついた古いグリスなどの汚れがしっかり落ちます。
ベアリングを洗浄した後は、いよいよグリスアップに移ります。
先端部分が細くなっているグリスガンなどを使用すれば細部までグリスが行き渡り、便利です。
使用するグリスは、ウレア系やリチウム系などの極圧性と耐水性の高いものを選ぶようにしましょう。
グリスは多すぎると加熱されることによって酸化したり、粘度が低下して流出してしまったりすることがあるので、適量を守ることが重要なポイントです。
グリスの適量は空間面積の30%から40%を目安にすることが推奨されています。
雨天時にバイクに乗ることが多いのであれば、年に1回程度グリスアップするのがおすすめです。